幹細胞を使った再生医療とは
幹細胞は人間のからだに備わっている細胞のひとつですが、皮膚・赤血球・血小板などの組織に分化することのできる能力と、みずからを複製することのできる能力の両方を兼ね備えた細胞のことをいいます。
こうした幹細胞の性質を利用して、病気やけがを治療するための治療のことを、大きく再生医療と呼んでいます。
もちろん幹細胞を用いた再生医療は単純に病気やけがの治療だけにとどまらず、それ以外のさまざまな目的、たとえば美容目的にも応用することが可能です。
幹細胞は年齢とともに減少していきますので、元気な間に幹細胞が詰まった脂肪を採取して培養し、必要なときに幹細胞を点滴投与してまた体内に戻すといった方法があります。
ほうれい線を除去するための美容治療といえば、定期的に外部からヒアルロン酸を何度も注入する方法が一般的となっていますが、幹細胞を使った再生医療であれば、もともとからだに備わっていたコラーゲンをつくる力を引き出すことができます。
自由診療とそのメリット
けがや病気で医療を受けた場合には、クリニックの窓口で所定の料金を支払うことになりますが、通常は加入している健康保険の適応がありますので、本人の負担する金額はきわめてわずかな金額で済むことになっています。
もちろん我が国では国民皆保険制度が採用されていて、あらかじめ保険料が会社からもらう給料のなかから差し引かれていたり、国民健康保険であれば年度はじめに自宅に納付書が届いたりしています。
そのため人生のどこかの時点で必要な金額を支払っていることに変わりはないのですが、少なくとも窓口で一度に高額な支払いを求められることはありません。
これに対して自由診療というのは、健康保険の適応を受けない医療のことをいいます。
美容目的の再生医療も病気やけがの場合とは異なり、この自由診療のひとつに当たるため、窓口で支払う金額は高額になりがちです。
その代わりに保険適応では困難な質の高い医療を本人の希望どおりに受けられるメリットがあります。
まとめ
幹細胞はさまざまな組織へと分化する能力と自己複製の能力の両方をもった特別な細胞です。
この幹細胞を病気やけがの治療に役立てるのが再生医療ですが、実は美容目的で使うこともできます。
美容目的の場合には、幹細胞をいったん抽出して培養したあとで体内に戻すことで、もともと人体が備えていた力を引き出すことになります。
美容目的で再生医療を行う場合には、健康保険の適応がない自由診療の取り扱いとなることから料金は高くなりがちですが、質の高い医療を本人の希望どおりに受けることができるメリットがあります。